別のしかたで :ツイッター哲学 千葉雅也
特に前提知識なく読み出せる哲学・・・というより
大喜利のような本。
Twitterにおける大喜利的な側面を効果的に発揮した良著。
この大喜利的なフォーマットを利用し、
ギャル男文化から哲学まで、幅広い対象の批評を試みている。
よく筆が流れるなぁと思ったら、
著者もこんな感じのことを言っている。
「なぜこんなに書きやすいかというと、
書き始めた途端にもう締め切りだからである」
なるほど完全に大喜利向きの考え方だ。
こういった本、一昨年ぐらいから
だんだん出るようになったよね。
もっと増えるといいな。
■
Tweet集は名言集である。
それが批判であることに気付けないのは、
(私を含めた)皆が名言セラピー中毒者になってしまっているからだ。
と私は思う。
現代に生きる私たちは、
おそらく名言セラピー中毒から大なり小なり逃れられない。
しかし、「Twetterは詩的である」ということを念頭に置きさえすれば、
これを上手く堪能できるのではないか、と思います。
そういうわけで Tweet集は、これはもう詩的です。
そう考えて付き合うとよろしい。
Twitterの詩的な側面。外形の140字ルールがそれを決定付けた。
言葉の持つ深みを計量する上では、
この電算上に表現される140文字は
あまりに頼りないと感じるのかもしれない。
でもこれって詩だからむしろそのことを言祝げばいいんじゃないかな、
と思います。